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ローンは、「借りられる額」ではなく「返せる額」で
♦一番大事なこと
まずは物件を見る前に、”必ず”シミュレーションしましょう。
住宅を見に行くと〇〇さんだったらいくらまで借りれますよと試算してくれます。
ここで注意なのは「借りられる額」=「返せる額」ではないことです。
ローンというのはその人の与信の状況にもよります。
たとえば大企業にお勤めの方であれば多少今の収入が低くとも大きな金額を借りることができますが、逆に収入は多いけど来年同じだけの収入があるかわからない自営業の方などは借りられなかったりします。
生活スタイルは人それぞれ違いますのでいくら返せるかも十人十色。
確実に返せる額を算出しましょう。
♦ボーナス払いはした方がいいの?
一概にどちらが正解とも言えませんが、昨今の世の中の状況を考えるとあまり大きく組まない方が良いでしょう。
また、住宅ローンは何十年と支払い続けるのが一般的です。
何十年もあれば途中で転職したりと人生が大きく変わることも考えられます。
もしかしたら転職したらボーナスがなかった…なんてこともあるかもしれません。
なるべくフラットで考えた方が無難でしょう。
♦住宅ローンを組むときの落とし穴
まず、ローン返済が苦しくなってしまったAさんのケースを紹介したいと思います。
休日の昼下がり、特に予定もなかったので家族で住宅展示場で子供向けのヒーローショーをやってたので何気なく行ってみました。
その時は賃貸でマンションに住んでいて特に住宅購入は考えていなかったのですが、モデルハウスを見るうちにだんだんと欲しい気持ちが大きくなってきました。
ただし、金額を見ると4,500万円。
今までの大きな買い物といえば車くらいです。
今まで見たことのない単位だったのでまぁうちには無縁の話かなと思っていたところ、販売業者の方から「大丈夫ですよ。今の家賃と変わらないくらいの額で購入できますよ。賃貸は残らないけど家は資産になりますからね。試しにいくら借りれるか見てみましょうか?」
まぁ見るだけならタダだからと…実際試算してみると
販売業者「Aさんの借りれる金額は5,000万円です。」
Aさん「え!?そんなに借りれるの!?余裕で買えちゃうじゃん。」
販売業者「ちなみに月々の返済額は約12万円です。」
それなら今の家賃に少しプラスしたくらいなので大丈夫かと思い、そのまま話がトントン拍子ですすんでAさんはその住宅を購入しました。
♦「変動金利」の恐ろしさ
さてこのAさんですが初めは順調にローンを払っていたのですが年が経つにつれだんだんと支払いが苦しいと感じるようになりました。
実はこの住宅ローンは変動金利で当初の数年金利が低く設定されていて、支払いも住んでいた家賃とそんなに変わらないくらいの金額でした。
しかし金利の見直し後、金利が上がってしまい月々の返済額も当初の額よりも大幅にアップしてしまいました。
そんな話聞いていない!といってもあとの祭り。
さらに追い討ちをかけるように子供の教育費も年々増えてきて、いよいよローン返済ができなくなり泣く泣く手放す方向に。
♦Aさんの失敗とは
・変動金利の注意点として金利が上がった場合に返済額も増えるということです。Aさんの場合はモデルハウスを見て「欲しい!」と思ったところから始まりました。その後は舞い上がって変動金利のリスクなど考えずに多少無理して購入してしまいました。
未来永劫今の金利水準が続くとは言い切れません。例えば今の金利が倍になったら払えるのか?など必ず「物件を見る前に」シミュレーションしましょう。
場合によっては支払額がずっと変わらない固定金利(期間設定あり)という方法もありますので合わせて検討しましょう。
・もう一つの落とし穴は教育費です。Aさんが住宅を購入したのはお子様はまだ2歳でした。それからすぐに2人目も生まれ、お子様が中学、高校と上がるにつれ習い事や塾代など教育費もかさむようになってきました。購入前にしっかりとライフプランをすることも大事ですね。
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