香港で働く、家族と暮らす、起業する、投資を目的に長期滞在する場合は、滞在目的に合ったビザ・入境許可を取得する必要があります。
香港には、一般的な就労ビザにあたる「General Employment Policy(GEP)」のほか、高所得者や世界の対象大学卒業者を対象とする「Top Talent Pass Scheme(TTPS/高端人才通行証計画)」、投資家向けの「New Capital Investment Entrant Scheme(New CIES/新資本投資者入境計画)」、配偶者や子どものための「Dependant Visa(家族・扶養家族ビザ)」などがあります。
制度は近年大きく変更されており、以前とは申請方法や初回滞在期間、申請費用も異なります。
この記事では、2026年9月時点の香港政府・香港入境事務處の情報をもとに、日本人が香港へ移住・就職する際に知っておきたい香港ビザの種類、取得条件、必要書類、申請方法を整理します。
なお、本記事では「香港ビザの種類・申請条件・手続き」を中心に解説します。実際に香港へ移住した後の生活環境や、「移住して後悔しないために確認しておきたいポイント」については、以下の記事で詳しく紹介しています。
\ご不明点やご質問はお気軽にどうぞ/
日本人は香港に90日までビザなしで滞在できる
日本国籍のパスポート保持者は、観光や短期訪問を目的とする場合、香港に90日以内であれば原則ビザなしで滞在できます。
ただし、ビザなしで入境した「Visitor(訪問者)」には活動上の制限があります。
観光や親族・知人訪問、一定のビジネス訪問などは可能ですが、香港で雇用されて働くこと、事業を設立・参加すること、原則として学生として就学することは認められていません。香港で就職・起業・長期居住する場合は、目的に応じたビザ・入境許可が必要です。
そのため、「日本人なら90日間ビザなしだから、その間は香港で働ける」という意味ではありません。
香港ビザの種類を比較|就労・TTPS・投資・家族ビザ
香港への長期滞在を考えている日本人に関係が深い主なビザ・入境制度を整理すると、以下のようになります。
| 種類 | 主な対象者 | 主な条件 | 香港での就職先 | 初回滞在期間の目安 |
|---|---|---|---|---|
| 就労ビザ(GEP) | 香港企業に就職する専門人材 | 学歴・経験、香港で必要とされる職種、雇用条件など | 原則必要 | 原則36か月または雇用契約期間の短い方 |
| TTPS Category A | 高所得人材 | 申請直前1年間の年収250万HKD以上 | 申請時は不要 | 36か月 |
| TTPS Category B | 対象大学卒+経験者 | 対象大学の学士+直近5年間で3年以上の職歴 | 申請時は不要 | 24か月 |
| TTPS Category C | 対象大学の近年卒業者 | 過去5年以内に対象大学を卒業、職歴3年未満など | 申請時は不要 | 24か月 |
| 起業家向け投資ビザ(GEP) | 香港で会社を設立・経営する人 | 事業計画、資金、香港経済への貢献など | 不要 | 最長36か月 |
| New CIES | 一定資産を持つ投資家 | 純資産・投資額とも原則3,000万HKD以上 | 不要 | Formal Approval後、原則24か月 |
| 家族・配偶者ビザ(Dependant) | 就労・TTPS・CIES等取得者の配偶者・子ども | 家族関係、扶養能力、住居など | ― | 原則スポンサーの滞在期間に連動 |
※2026年9月時点。制度や審査基準は変更される場合があります。
以下、それぞれ詳しく見ていきましょう。
香港の就労ビザ(GEP)の条件
日本人が香港企業に就職する場合、代表的なのが「General Employment Policy(GEP)」による就労ビザです。
GEPは、香港で価値のある専門的なスキル・知識・経験を持つ人材を受け入れる制度で、基本的に業種別の一律の人数枠はありません。
香港就労ビザの主な取得条件
香港入境事務處が示している主な審査条件は次のとおりです。
申請者について、重大な犯罪歴や安全保障上の問題がないことに加え、通常は関連分野の学士号など良好な学歴が求められます。ただし、十分な専門資格・能力・実務経験・実績がある場合は、学位がなくても個別に認められる可能性があります。
さらに、実際に香港で求人が存在し、申請者が正式な雇用オファーを得ていること、その仕事が申請者の学歴・職歴に関連し、香港のローカル人材だけでは容易に充足できないことなどが審査されます。
給与や住宅手当、医療その他の福利厚生を含む待遇も、香港における同種の専門職の市場水準とおおむね一致している必要があります。
つまり、「香港企業から内定をもらえば自動的に就労ビザが取得できる」という制度ではありません。
申請者本人の経歴だけでなく、「なぜ香港現地の人材ではなく、この申請者を雇用する必要があるのか」という点も重要になります。
香港就労ビザの必要書類
GEPの申請では、申請者と雇用企業の双方が書類を提出します。
申請者側では、顔写真、有効なパスポートなどの旅行書類、香港IDを持っている場合は香港ID、学歴・職歴を証明する資料などが基本となります。
一方、雇用企業側では、役職・給与・福利厚生・雇用期間などを記載した雇用契約書またはAppointment Letterのほか、Business Registration Certificate、財務状況を示す資料、事業内容が分かる会社資料などが求められます。
設立から12か月以内の新しい企業の場合は、資金源、予定投資額、事業内容、売上・利益予測、香港で新たに創出する雇用などを記載した詳細な事業計画書が必要になる場合があります。
なお、一定の簡素化措置に該当する申請者・企業については、一部資料の提出が免除される場合があります。
日本語だけで作成された書類を使用する場合にも注意が必要です。香港入境事務處は、中国語・英語以外の書類について、所定の資格を持つ翻訳者などによる中国語または英語の認証翻訳を求めています。
香港就労ビザの申請方法
GEPを含む香港のビザ申請はオンラインで行うことができます。
申請者、同行する扶養家族、雇用企業が必要事項を入力し、必要書類をオンラインでアップロードして申請します。
必要書類と申請料がすべて揃ってから、通常は約4週間が審査期間の目安です。ただし、追加資料の提出が求められたり、個別審査に時間がかかったりする場合があります。
審査に通過すると、発給手数料を支払い、「e-Visa」をオンラインでダウンロードできます。
以前のように、原則として紙のビザを受け取りに窓口へ行く仕組みではありません。香港入境事務處は、2022年11月以降、訪問・就労・投資・留学・居住などすべてのビザ申請カテゴリーにオンラインサービスを拡大しています。
就労ビザの有効期間と更新
GEPで専門職として認められた場合、初回の滞在期間は原則36か月、または雇用契約の期間のうち短い方となります。
その後、条件を満たしていれば、通常は「3年-2年」のパターンで更新されます。
また、一般的なGEPの就労ビザは勤務先と結びついているため、香港で転職する場合には、原則として事前に香港入境事務處の承認が必要です。
TTPS(Top Talent Pass Scheme)とは?
近年、香港ビザを検討する際に重要度が高まっているのが、Top Talent Pass Scheme(TTPS/高端人才通行証計画)です。
TTPSは、高所得者や世界の対象大学を卒業した人材を香港へ呼び込む制度です。
一般的なGEPとの大きな違いは、初回申請時に香港企業からの雇用オファーを取得している必要がないことです。
香港でビザを申請する方法は、オンラインと郵送の2つの方法があります。自宅で時間をかけずに申請したい場合はオンライン申請が便利です。
オンライン申請は以下の手順に沿って行います。
TTPS Category A|年収250万HKD以上
Category Aは、申請日の直前1年間に、250万HKD以上または相当する外貨の年間所得がある人を対象としています。
ここでいう年間所得には、給与、手当、ストックオプション、自身が所有する会社から得る利益などの課税対象となる雇用所得・事業所得が含まれます。
一方、個人的な投資から生じた所得はCategory Aの年収判定には含まれません。
所得証明として、税務当局が発行する課税証明・納税証明、雇用企業が発行するストックオプション関連資料、自社を経営している場合は監査済み財務諸表や損益計算書などが利用されます。
Category Aで認められた場合、初回滞在期間は原則36か月です。
TTPS Category B|対象大学卒+直近5年で3年以上の職歴
Category Bは、TTPSの対象大学で香港の学士号に相当するBachelor’s Degreeを取得し、さらに申請直前の5年間に3年以上の卒業後の職務経験がある人が対象です。
初回滞在期間は原則24か月です。
TTPSは香港入境事務處が定める「Specified Scheme(指定制度)」に該当します。申請時には、1件につき600HKD(約11,800円)の申請料が必要です。この申請料は、審査結果にかかわらず返金されません。
さらに、申請が承認された場合はビザ発給料が必要です。滞在期間が180日を超える場合は1,300HKD(約25,500円)、180日以下の場合は600HKD(約11,800円)です。
TTPS Category Bの初回滞在期間は原則24か月のため、通常は申請料600HKD+ビザ発給料1,300HKDが必要となります。
※日本円換算は、2026年9月14日時点の為替レート「1HKD=約19.61円」をもとにした概算です。実際の支払額は為替レートやカード会社等の換算レートによって異なります。
TTPS Category C|対象大学を過去5年以内に卒業
Category Cは、対象大学の学士号取得者のうち、申請時点から過去5年以内に卒業し、職歴が3年未満の人を対象としています。
Category Cには年間枠があり、年間10,000人です。原則として先着順で割り当てられます。
初回滞在期間は原則24か月です。
なお、香港のフルタイム認定学士課程をNon-local Studentとして卒業した人など、一部Category Cの対象外となるケースがあります。
TTPS対象大学|日本の対象6大学
TTPSのCategory B・Cで利用される「eligible universities」は、指定された世界大学ランキングの過去5年間の上位100大学などを中心に作成された対象大学リストです。
現在は、世界大学ランキングだけでなく、中国本土の大学やホテル、アート・デザイン分野の対象教育機関なども含む仕組みに拡張されています。
香港政府公式Aggregate Listでは、日本から以下の6大学が掲載されています。
- 東京大学(The University of Tokyo)
- 京都大学(Kyoto University)
- 東京工業大学(Tokyo Institute of Technology / Tokyo Tech:香港政府公式リスト上の表記)
- 大阪大学(Osaka University)
- 東北大学(Tohoku University)
- 名古屋大学(Nagoya University)
なお、Category B・Cでは、対象大学の大学院に在籍したというだけでは原則対象になりません。香港入境事務處は、対象大学から学士号を取得していることを求めています。また、オンライン・通信教育、夜間、独学、パートタイム等で取得した学士号はTTPS Category B・Cの対象外とされています。
TTPSの必要書類
基本的には、顔写真、有効なパスポートなどの旅行書類、香港IDを保有している場合は香港IDが必要です。
Category Aでは年収250万HKD以上を証明する税務・所得関係書類、Category B・Cでは対象大学の正式な学士号卒業証明書・成績証明書と、学歴を確認するためのVerification Proofが必要になります。
Category A・Bでは、該当する職務経験を証明する書類も求められます。
申請はオンラインで行い、必要書類と申請料がすべて提出された後、通常の審査期間は約4週間です。
TTPSは「取得後も働かなくてよい」制度ではない
TTPSは、初回申請時には香港企業からの内定を必要としません。また、認められた滞在期間中は、事前承認を受けることなく香港で就職・転職したり、事業を設立・参加したりできます。
ただし、更新時には事情が異なります。
滞在延長を申請する際には、原則として香港で就職して安定した収入を得ていること、または香港で事業を設立・参加していることなどを示す必要があります。
「TTPSを取得すれば、香港で仕事や事業をしなくても無期限に更新できる」という制度ではない点に注意しましょう。
香港の「投資ビザ」は2種類を区別する
「香港 投資ビザ」と検索すると、異なる2つの制度が同じように紹介されていることがあります。
しかし、実際には、
香港で会社を設立・経営する起業家向けのGEP「Investment as Entrepreneurs」
と、
資産を香港へ投資して居住する「New Capital Investment Entrant Scheme(New CIES)」
は別の制度です。
目的も審査基準も大きく異なるため、区別して理解しておきましょう。
起業家向け投資ビザ|Investment as Entrepreneurs
香港で会社を設立したり、既存の会社に経営者として参加したりする場合には、GEPの「Investment as Entrepreneurs」を利用できる可能性があります。
審査で重視されるのは、単に「香港で法人を設立した」「一定額を出資した」という事実だけではありません。
香港経済に対して実質的な貢献が期待できるかが審査され、事業計画、売上、資金力、投資額、香港で創出する雇用、新しい技術やスキルの導入などが総合的に確認されます。
特に重要なのが3年間の事業計画です。
事業内容、市場分析、市場でのポジショニング、今後の事業方針、売上目標、マーケティング戦略などに加え、3年間の損益計算・キャッシュフロー・貸借対照表の予測などを提出し、香港で事業を継続できることを示します。
また、本人・会社の銀行取引明細、資金源、監査済み財務諸表、香港への投資額、オフィスの賃貸契約、取引契約・請求書、香港で雇用したスタッフの資料などが求められる場合があります。
起業家向け投資ビザの申請には香港のスポンサーも必要です。
申請はオンラインで行い、必要資料と申請料が揃ってから通常約4週間が審査期間の目安です。認められた場合、初回の滞在期間は最長36か月です。
New CIES|3,000万HKD以上の投資家向け制度
一方、New Capital Investment Entrant Scheme(New CIES)は、香港で自ら会社を経営することを前提とする制度ではありません。
一定規模の資産を保有し、香港で規定された投資を行う人を対象とした投資家向けの入境制度です。
旧Capital Investment Entrant Schemeは2015年1月に停止されましたが、新制度であるNew CIESが2024年3月1日から開始されています。
New CIESの主な条件
原則として申請時に18歳以上であることに加え、Net Asset Assessmentの申請前6か月間を通じて、3,000万HKD以上相当の純資産または純持分を保有していることが必要です。
さらに、原則として合計3,000万HKD以上をPermissible Investment Assets(認められた投資資産)へ投資します。
現在の制度では、このうち最低2,700万HKDを認められた金融資産・不動産等へ投資し、別途300万HKDをCIES Investment Portfolioへ拠出する仕組みとなっています。
対象となる金融資産には一定の香港上場株式、債券、譲渡性預金、認可されたファンド、REIT、一定のInvestment-Linked Assurance Schemeなどがあります。
不動産については2025年9月17日から条件が変更され、New CIESの投資額として算入できる不動産の合計上限は1,500万HKD、そのうち住宅不動産については1,000万HKDが上限です。住宅を利用する場合、原則として取引価格3,000万HKD以上の単一物件である必要があります。
また、2026年3月1日からは、一定の条件を満たす香港の私有会社を通じて投資資産を保有できる措置も導入されています。適用には法人形態やFamily-owned Investment Holding Vehicle等に関する細かな条件があるため、利用する場合は申請時点のScheme Rulesを確認しましょう。
New CIESの申請手順
New CIESは、通常の就労ビザとは異なり、Immigration Departmentだけで手続きが完結する制度ではありません。
まずInvestHKのNew CIES Officeに対し、Net Asset Assessmentを申請します。申請者は香港のCertified Public Accountant(Practising)の協力を得て、資産要件を満たしていることを示す書類を提出します。
InvestHKからNet Asset Requirementを満たすことの証明を取得した後、その有効期間内に香港入境事務處へEntry Applicationを提出します。
入境面でApproval-in-Principleが認められると、最長180日間のVisitor Statusで香港へ入り、所定の投資を行うことができます。
投資完了後、再度New CIES OfficeでInvestment Requirementsの確認を受け、証明書を香港入境事務處へ提出します。
最終的にFormal Approvalを受けると、本人と認められた扶養家族には通常、最長24か月の滞在が認められます。
このようにNew CIESは、単純に「3,000万HKDを持っていればビザが出る」制度ではなく、資産保有期間、投資対象、投資維持、CPAによる証明など複数の条件があります。
香港の配偶者ビザ・家族ビザ(Dependant Visa)
日本語で「香港の配偶者ビザ」「香港の家族ビザ」と呼ばれるものは、香港の制度上は主にDependant(受養人)としての入境許可にあたります。
GEPによる就労者、TTPS取得者、起業家向け投資ビザ取得者、New CIES取得者などは、原則として配偶者等と18歳未満の未婚かつ扶養されている子どもをDependantとして香港へ呼ぶことができます。
申請時には、婚姻証明書や出生証明書など、スポンサーとの真正な家族関係を証明する資料が必要です。
さらに、スポンサー側には、扶養家族が香港で生活するために十分な経済力を持ち、適切な住居を提供できることが求められます。
GEPやTTPSなどの申請時に、同行する家族のDependant申請をあわせてオンライン提出することもできます。
通常の新規Dependant Visaについては、必要書類と該当する申請料が揃った後、処理期間は約6週間が目安です。
なお、GEP・TTPS・New CIESなどの対象者のDependantとして認められた配偶者等は、現行制度上、香港での就労を禁止されていません。
香港永久居民の家族の場合
スポンサーが香港永久居民、または滞在期限の制限を受けない香港居住者の場合は、対象範囲がさらに広くなります。
配偶者等、18歳未満の未婚で扶養されている子どもに加え、60歳以上の親もDependantとして申請できる場合があります。
香港ビザの申請費用はいくら?
香港では2025年2月26日から、GEPやTTPS、New CIESなど「Specified Schemes」に対する新しい料金体系が導入されています。
Specified Schemeの本人および対象となるDependantについて、1申請あたり600HKDの申請料が必要です。この申請料は、結果にかかわらず返金されません。
審査に通過した後、さらにe-Visaの発給手数料を支払います。
滞在期間が180日を超える場合は1,300HKD、180日以下の場合は600HKDです。
GEPやTTPSでは通常、初回滞在期間が180日を超えるため、一般的な新規申請では「申請料600HKD+承認後の発給料1,300HKD」という形になります。
以前の香港ビザ情報では「270HKD」などの旧料金が紹介されていることがありますが、現在のSpecified Schemesには当てはまりません。
香港ビザ申請はオンラインで完結できる
現在は、香港入境事務處またはGovHKのオンラインサービスから、申請フォーム入力、顔写真・必要書類のアップロード、追加書類の提出、該当する申請料の支払いまでオンラインで進められます。
承認された場合も、発給料をオンラインで支払った後、「e-Visa」をダウンロード・印刷できます。
そのため、旧来の情報に見られる「日本査証申請センターへ出向いて香港就労ビザを受け取る」といった手続きとは異なります。
ただし、申請する制度や国籍、現在の滞在資格によって必要な対応は異なるため、実際の申請時には香港入境事務處の該当制度ページで最新情報を確認してください。
香港ビザ申請で注意したいポイント
香港ビザの申請で特に注意したいのは、「どのビザでも同じ必要書類を出せばよい」と考えないことです。
GEPでは香港企業からの雇用オファーと雇用企業側の資料が重要になります。一方、TTPSは初回申請時に雇用先が不要ですが、Category Aなら年収証明、Category B・Cなら対象大学の学位証明などが中心です。
起業家向け投資ビザでは3年間の事業計画や香港経済への貢献が問われ、New CIESでは純資産額と投資資産が中心となります。
家族ビザでは、婚姻・親子関係などを証明する資料とスポンサーの扶養能力が重要です。
また、香港入境事務處は、必要書類の一覧に掲載されている資料をすべて提出した場合でも、審査上必要と判断すれば追加資料を求めることがあります。
申請前には「香港 ビザ 必要書類」といった一般的な情報だけを見るのではなく、自分が利用する制度の最新ページを確認しましょう。
香港ビザの更新・転職にも注意
ビザを取得した後も、滞在期限を過ぎる前に必要な更新手続きを行う必要があります。
例えばGEPの場合、滞在期限の3か月前から更新申請が可能で、香港入境事務處は少なくとも期限の6週間前までに申請することを推奨しています。
必要書類と申請料が揃った通常の更新申請は、約2〜3週間で処理されるのが目安です。
また、一般的なGEPの就労条件で滞在している場合、雇用主を変更するときには香港入境事務處から事前承認を得る必要があります。
一方、TTPS取得者は初回の許可期間中、事前承認なしで転職や起業ができます。
このように、同じ「香港で働くビザ」でも自由度が異なります。
香港で7年暮らせば永住権を申請できる?
香港で長期的に生活する場合、香港永久居民(Permanent Resident)を目指す方もいるでしょう。
日本人など中国国籍ではない人の場合、有効な旅行書類で香港へ入り、申請日の直前まで連続して7年以上「ordinarily resided(通常居住)」していることなどの要件を満たせば、香港のRight of Abode、いわゆる永住権の申請対象となる可能性があります。
さらに、香港を恒久的な居住地としていることを申告する必要があります。
申請では、過去7年間の香港での通常居住を証明する資料として、雇用証明、学校関係書類、銀行取引明細、税務資料、公式領収書などが利用されます。
非中国籍の申請者は、香港を恒久的な居住地としていることを示すDeclaration(ROP146)も提出します。
ただし、「就労ビザやNew CIESを7年間保有していれば自動的に永久居民になる」という意味ではありません。
例えばNew CIESについても、香港入境事務處は、投資要件を7年間継続して満たしたことだけで「通常居住」の条件を満たしたと自動的に判断するわけではないと明記しています。永久居民については別途、Right of Abodeの要件に基づいて審査されます。
香港ビザを選ぶときは「何を目的に香港へ行くのか」を整理する
香港ビザの種類は多いため、まず「香港で何をしたいのか」を明確にすることが重要です。
香港企業への転職・就職が決まっているのであればGEP、一定水準以上の年収や対象大学の学歴があり、まず香港へ移ってから仕事を探したい場合にはTTPSが候補になります。
香港で自ら事業を立ち上げるのであれば起業家向けのInvestment as Entrepreneurs、一定規模の資産を香港へ投資して居住する場合にはNew CIESというように、目的によって利用する制度は異なります。
配偶者や子どもと一緒に香港へ移住する場合は、本人のビザだけでなくDependant Visaについても同時に確認しておく必要があります。
また、香港移住そのものを検討している段階であれば、ビザ条件だけでなく、住居費、医療、教育、仕事、生活環境なども含めて検討しておくことが重要です。
香港移住後の生活や後悔しやすいポイントについては、以下の記事もあわせてご覧ください。
まとめ|香港ビザは2026年の最新制度を確認して申請しよう
日本人は観光などの短期訪問であれば香港に90日までビザなしで滞在できますが、香港で働く、起業する、長期間生活するといった場合には、目的に合ったビザ・入境許可が必要です。
一般的な就労であればGEPがありますが、現在は年収250万HKD以上の高所得者や対象大学卒業者を対象としたTTPSも重要な選択肢となっています。
また、「香港投資ビザ」と呼ばれる制度についても、香港で事業を経営するInvestment as Entrepreneursと、3,000万HKD以上の投資要件を持つNew CIESでは仕組みが大きく異なります。
配偶者・子どもと移住する場合はDependant Visa、長期的には7年間の通常居住などの条件を満たしたうえで香港永久居民の申請を検討することもできます。
香港のビザ制度は近年変更が続いており、申請費用や対象大学、投資条件なども更新されています。本記事は2026年9月時点の公式情報をもとにしていますが、実際に香港ビザを申請する際には、香港入境事務處や各制度の公式ページで最新の条件を確認したうえで手続きを進めましょう。
出典・参考情報
*香港入境事務處「General Employment Policy(GEP)」
香港就労ビザの申請条件、必要書類、申請方法、滞在期間など
General Employment Policy(GEP)|Hong Kong Immigration Department
*香港入境事務處「Top Talent Pass Scheme(TTPS)」
TTPS Category A・B・Cの要件、対象者、必要書類、滞在期間など
Top Talent Pass Scheme(TTPS)|Hong Kong Immigration Department
*香港政府 New Capital Investment Entrant Scheme Office「New CIES」
New CIESの純資産要件、3,000万HKDの投資要件、申請手続きなど
New CIES Eligibility Criteria|Hong Kong Government
*香港入境事務處「Dependants」
配偶者・子どもなど家族ビザ(Dependant Visa)の対象者、条件、必要書類など
Dependants|Hong Kong Immigration Department
*香港入境事務處「New Fee Structure for Visa Applications under Specified Schemes」
GEP・TTPSなどの申請料、ビザ発給手数料
Specified Schemesのビザ申請料金|Hong Kong Immigration Department
*香港入境事務處「Right of Abode」
香港永久居民(Permanent Resident)の7年間の通常居住要件など
Right of Abode|Hong Kong Immigration Department
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