30代は、体力・実力ともに充実し、何事にも頑張れる時期です。仕事では少しずつ責任が重くなってきたり、やりがいを感じながら取り組む人が多いですね。プライベートでは、結婚や出産など家族を持つ人が多い世代です。
とはいえ、人生の中で非常に輝く時期と言える30代にも、リスクはつきもの。30代に多いリスクをよく理解し、必要となる保障を効率よく備えましょう。
1. 30代に多いリスクとは
1-1. 病気のリスク(入院)
(出典)平成29年患者調査(厚生労働省)
30代男性は、1位が「精神及び行動の障害」です。これは、全年齢とも入院理由の1位となっていますが、20代に比べて人数も増えています。
30代の女性は、1位が「妊娠,分娩及び産褥」による入院です。2位の「精神及び行動の障害」については20代に比べると人数が2倍以上に増えています。そして3位には「新生物<腫瘍>」とありますがこれは「がん」のことです。
がん罹患率は年齢と共にアップしていくのが一般的ですが、下図のように女性特有のがんの場合は30代から、とくに「乳がん」において30代で罹患率が急上昇しています。
(出典)国立がん研究センター対策情報センター「がん登録・統計」2014年度より
1-2. 病気のリスク(死因)
30代の男女別の死因について5位までを見てみると、「自殺」と「がん」による死因が上位にきています。男性は「心疾患」 、女性は「女性特有のがん」のリスクが高くなってくる年代です。
(出典)平成29年人口動態統計(厚生労働省)
2. 30代の保険選び
2-1.【30代・独身】の保険選び
30代独身の場合、病気やケガをした時に生活への影響が最低限ですむように保険を選びます。医療保険、けが病気働けなくなったときの収入減に備える就業不能保険、そしてがんなど生活習慣病のリスクも徐々に高くなる時期です。
2-1-1.男性の場合
医療保険と就業不能保険を中心に、がんなど生活習慣病に備えた保障を確保しましょう。死亡保障は少額保障か、老後の資産形成にもつながる終身保険もいいでしょう。
2-1-2.女性の場合
女性は女性特有の病気に備えた医療保険やがん保険で保障を確保しましょう。女性の場合、妊娠中は加入できる保険商品が限られていたり、加入時に条件や制限が付いたりする場合がありますので早めの保障の確保を心がけましょう。
2-2.【30代・結婚した時】の保険選び
結婚をしたら、保険選びは相手のことを考えて、もしものときに家族の生活を守るということを目的に選びます。医療費の負担だけではなく、入院や手術で働けなくなり収入減となったり、万一死亡したりしたときに、家族の生活を維持するためにどういう保障が必要なのかを考えてください。
2-2-1.男性の場合
近い将来に子どもが産まれる人は、子どもも含めた家族のリスクに備える死亡保険を確保してください。また保険料は年齢が上がるほど高くなりますので、なるべく早めに必要なものを確保してしまうことも有効です。医療保険、がん保険のほか、働けないリスクに備える就業不能保険も準備しましょう。
2-2-2.女性の場合
女性の場合、妊娠してからでは希望する保険に加入できないという場合もありますので、なるべく早めに各種の保険を確保することがポイントです。女性専用の医療保険やがん保険などを中心に、共働きの人は就業不能保険も確保します。
2-3.【30代・子どもがいる場合】の保険選び
30代は、小さな子どもがいる人が多い年代でもあり、高額な死亡保障が必要な時期です。とくに共働きの場合は、夫婦それぞれ自分がもしものときの医療費や収入減という影響があること以外に、子どもの面倒を見る配偶者の仕事にも影響があり、さらに収入減となるリスクがあることを考慮する必要があります。
また、もしものときに子どもの面倒を見てくれる人がいるかどうかでかかる費用が異なります。自分たちの環境に合わせてシミュレーションし、必要となる保険を選ぶことで、無駄を避けることに繋がります。
2-3-1.男性の場合
子どもが小さいほど高額な保障が必要です。死亡保障額は末子が0歳の時に一番高くなります。収入保障保険を活用して高額保障を確保しましょう。就業不能保険(収入減に備える保険)やがんにも備えてください。子どもの将来に備えて学資保険の活用も有効です。
2-3-2.女性の場合
女性の場合は、入院や手術など万一の時に、近くに子ども面倒を見てくれる人がいるかなど、自分の置かれた環境によってかかる費用に大きな違いが生じます。こうしたマイナスとなる分を考慮して保険を選びましょう。
例えば、長期的な治療による収入減には就業不能保険が有効です。短期的なものについては医療保険を充実させるという方法もあります。また、女性特有のがんにも備える必要があります。
3. 30代の生命保険選びのポイント
・医療保険は男女ともに必須。女性は女性用の医療保険も活用する。
・女性は早めにがんに備えた方が良い。男性も生活習慣病リスクを視野に入れる時期。
・ 子どもがいる人は責任が重くなる世代。高額な死亡保障の確保には収入保障保険が有効。
・独身の人は、少額の死亡保障と老後の資産形成にも役立つ終身保険を活用すると良い。
・結婚して子どもがいる人は、死亡保険や医療保険に加えて、長期間働けなくなった時の収入減のリスクにも備える就業不能保険も確保する。
30代は、がんなど生活習慣病のリスクが少しずつ高まってくる時期です。女性の場合は「出産」と「がん」のリスクが両方ともありますので、女性向けの医療保険やがん保険の活用もおススメです。
男性は、小さな子どもがいる人の場合、自分が万一のときに家族が路頭に迷わないように保険を選ぶことを意識してください。
責任の重くなる30代。きちんと準備をしておくことが重要です。
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