香港は、日本から近く、アジアを代表する国際都市のひとつです。仕事や起業、家族の帯同、子どもの教育、資産形成など、さまざまな理由から香港移住を検討する日本人もいます。
一方、実際に香港で長期的な生活を始めるには、ビザの取得だけでなく、香港IDカード(HKID)の申請、住居、銀行口座、税金、医療保険、子どもの学校など、多くの準備が必要です。
また、香港の在留制度は近年大きく変化しています。従来の就労ビザや扶養家族向けビザに加え、2022年に開始されたトップタレント・パス・スキーム(TTPS)や、2024年に開始された新資本投資者入境計画(New CIES)など、移住の選択肢も広がりました。
この記事では、2026年9月時点の香港入境事務處などの公式情報をもとに、香港移住の条件、ビザ、必要書類、手続き、費用、永住権、さらに移住後の銀行口座・保険・税金まで詳しく解説します。
※ビザ・税制・各種制度は変更される可能性があります。実際に手続きを行う際は、香港政府などの最新情報をご確認ください。
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香港へ移住する日本人が多い背景
香港は国際金融・ビジネスの拠点として発展してきた都市で、英語がビジネスで広く使われているほか、日本を含むアジア各地へのアクセスにも優れています。
日本との経済的なつながりも強く、日本食レストランや日系企業、日本の商品を扱う店舗などが多いことから、海外生活が初めての日本人でも比較的生活環境を整えやすい地域のひとつです。
外務省によると、2025年10月1日時点の香港の在留邦人数は23,228人です。
また、香港では一定の条件を満たす外国人に対して、就労、起業、家族帯同、高度人材、資本投資など複数の在留制度が設けられています。
ただし、「日本人だから簡単に香港へ移住できる」というわけではありません。香港で長期的に居住したり、仕事をしたりする場合には、自分の目的に合った在留資格を取得することが基本となります。
香港移住のメリット
香港移住を検討する際には、メリットだけでなくデメリットも含めて、自分や家族の生活に合うかを判断することが大切です。
アジア各地へのアクセスが良い
香港は東アジア・東南アジアの主要都市へアクセスしやすく、海外出張や旅行が多い人にとって利便性の高い場所です。
中国本土とのビジネスだけでなく、シンガポール、タイ、台湾、日本などアジア各地との事業展開を考えている人にとっても、香港を拠点にするメリットがあります。
税制が比較的シンプル
香港の税制は「源泉地主義(Territorial Source Principle)」を基本としており、香港を源泉とする所得や利益が課税対象となる仕組みです。
ただし、「香港に住めば海外所得には一切税金がかからない」と単純に判断できるものではありません。所得の種類や発生場所、雇用関係、日本側の税務上の居住者判定などによって取り扱いが異なります。
税金については後ほど詳しく解説します。
英語を使った教育環境を選択できる
香港にはローカル校、日本人学校、インターナショナルスクールなど複数の教育選択肢があります。
子どもの将来的な海外進学や英語教育を目的として「香港への教育移住」を検討する家庭もありますが、学校によって入学条件、募集時期、学費、カリキュラムが大きく異なります。
学校選びは、住居エリアや移住時期とセットで早めに進めておくことが重要です。
日本人向けの生活環境を整えやすい
香港には長年多くの日本人が生活しているため、日本食、日本語対応の医療機関、日本人向けサービスなども比較的見つけやすい環境です。
特に初めて海外へ移住する場合、日本語で相談できる場所があることは大きな安心材料になるでしょう。
香港移住のデメリット・後悔しやすいポイント
香港移住には魅力がある一方で、実際に生活してから「想像していた環境と違った」と感じるケースもあります。
住居費などの生活コストが高くなりやすい
香港ではエリアや物件の広さ、築年数、駅からの距離などによって家賃が大きく異なります。
特に家族で移住する場合は、家賃だけでなく、学校、医療、保険、引っ越し、家具・家電などの初期費用まで含めた資金計画が必要です。
旧記事では具体的な家賃相場を掲載していましたが、不動産価格や賃料は変動が大きいため、希望するエリアと物件条件を決めたうえで最新の募集物件を確認することをおすすめします。
ビザによって働き方に制限がある
香港では、在留資格によって就労条件が異なります。
例えば一般就業政策(GEP)の就労ビザでは、申請時に雇用先や職種が審査されます。一方、TTPSやNew CIESなど、比較的自由度の高い制度もあります。
「とりあえず香港に移住してから仕事を探せばよい」と考えるのではなく、どのビザで滞在し、その資格で何ができるのかを先に確認しておく必要があります。
医療や教育には民間サービスの費用も考える必要がある
香港には公的医療がありますが、私立病院・クリニックを利用する場合の費用や、インターナショナルスクールなどの教育費は家計への負担になることがあります。
会社の福利厚生として医療保険や教育手当が付く駐在員と、自費で負担する現地採用・起業家・家族移住では、必要な生活費が大きく変わります。
日本とは異なる法律や制度を理解する必要がある
香港では日本とは異なる法制度が適用されています。
外務省の海外安全情報では、香港の治安は一般的に比較的良好とされる一方、詐欺被害への注意なども呼びかけられています。現地の法律や社会ルールについても、移住前に確認しておくことが大切です。
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香港移住の条件は?主な移住パターンを比較
2026年9月時点で、日本人が香港へ長期移住する際に検討しやすい主な制度は以下のとおりです。
| 移住パターン | 主な制度 | 主な条件 | 香港での就労 | 初回の主な滞在期間 |
|---|---|---|---|---|
| 香港企業への就職・駐在 | 一般就業政策(GEP) | 香港での雇用契約、学歴・経験、職務内容・給与水準など | 原則、承認された雇用に基づく | 通常36か月または雇用契約期間の短い方 |
| 配偶者・家族として移住 | Dependant | 配偶者・18歳未満の未婚の子など、スポンサーとの関係・扶養能力など | GEP・TTPS・New CIES等の扶養家族は原則就労可 | 原則スポンサーの在留期間と連動 |
| 香港で起業・事業参加 | Investment as Entrepreneurs(GEP) | 事業計画、資金、雇用創出など香港経済への実質的貢献 | 可 | 通常最大36か月 |
| 資産を活用して移住 | New CIES | 原則18歳以上、3,000万香港ドル以上の純資産・適格投資など | 可 | 正式承認後、通常最大24か月 |
| 高所得・高度人材として移住 | TTPS | 所得または対象大学の学歴・職歴など | 可 | Category A:36か月、B・C:24か月 |
制度ごとに条件が大きく異なるため、以下で詳しく見ていきましょう。それぞれの制度や特徴や条件を、具体的な内容とともに順番に解説します。
香港の就労ビザ|一般就業政策(GEP)
香港で現地企業に就職する日本人が利用する代表的な制度が、General Employment Policy(GEP/一般就業政策)です。
2026年9月時点では、主に以下の点が審査されます。
- 香港で実在する求人があること
- 申請者に原則として職務に関連した学歴、専門資格、経験などがあること
- 学歴・経験に合った職務であること
- 香港の現地人材では容易に代替できない職務であること
- 給与や福利厚生が香港の同等職種の市場水準とおおむね合っていること
香港入境事務處は、通常、関連分野の学士号をひとつの基準としていますが、専門資格や実績、関連する職務経験などによって個別に認められる場合もあります。
就労ビザの主な必要書類
申請内容によって異なりますが、主に次のような資料が必要となります。
申請者側
- 顔写真
- 有効なパスポートなどの渡航書類
- 香港IDカード(保有している場合)
- 学歴を証明する資料
- 職務経験や専門資格を証明する資料
雇用主側
- 雇用契約書・採用通知書
- 職位、給与、福利厚生、雇用期間などが分かる資料
- Business Registration Certificate
- 会社概要
- 必要に応じて財務資料や事業計画書
2026年9月時点では、必要書類と申請料がすべて提出された後、通常の処理期間は約4週間とされています。ただし、個別案件や審査状況によって長くなることがあります。
入社日や引っ越し日を決める際は、審査期間に余裕を持って準備しましょう。
配偶者ビザ・家族帯同|Dependant
一般に「配偶者ビザ」と呼ばれることがありますが、香港では家族の帯同はDependant(扶養家族)として扱われます。
GEPの就労者、起業家、TTPS、New CIESなどの資格で香港に居住する人は、一定の条件のもとで、
- 配偶者
- 法的に認められた一定のパートナー
- 扶養する18歳未満の未婚の子ども
などを香港へ帯同できます。
配偶者・子どもの主な必要書類
申請内容によって異なりますが、一般的には、
- パスポートなどの渡航書類
- 顔写真
- 婚姻関係を証明する書類
- 子どもの出生証明書
- スポンサーの香港での在留資格を示す資料
- 扶養能力や住居に関する資料
などが書類が必要になります。
なお、中国語・英語以外で発行された資料については、案件によって認証された中国語または英語の翻訳が必要になる場合があります。
配偶者は香港で仕事ができる?
スポンサーがGEPによる就労者、起業家、TTPS、New CIESなどの場合、そのDependantは原則として香港での就労が認められています。
また、扶養家族として滞在する子どもは、原則として別途就学許可を取得せず香港で学校に通うことができます。
ただし、学生ビザ保有者の扶養家族などは就労条件が異なるため、スポンサーの在留資格ごとに確認が必要です。
香港で起業する人向け|Investment as Entrepreneurs
従来、日本語では「香港の投資ビザ」と呼ばれることが多かった制度のひとつが、GEPに基づくInvestment as Entrepreneurs(起業家としての投資)です。
ここで注意したいのは、これは「香港企業の株主になるためのビザ」ではないという点です。
香港では、外国人による出資比率そのものに一般的な制限はなく、JETROによると100%外国資本の会社設立も認められています。したがって、外国人が香港企業の株主になるだけで、このビザが必須になるわけではありません。
この制度は、香港で実際に会社を設立したり、事業に参加したりしながら居住・活動する人向けの在留制度です。
起業家ビザで審査されるポイント
香港入境事務處は、申請者が香港経済へ実質的な貢献をする可能性があるかを審査します。
評価項目には、
- 事業計画
- 売上見込み・事業実績
- 資金力
- 投資金額
- 香港での雇用創出
- 新しい技術や技能の導入
などが含まれます。
申請時には、詳細な3年間の事業・投資計画のほか、銀行残高などの資力証明、会社資料、オフィスの賃貸契約、財務資料、雇用計画などを求められることがあります。香港在住のスポンサーも必要です。
2026年9月時点では、必要書類と申請料が揃った後の通常の処理期間は約4週間です。初回の滞在期間として、通常、最大36か月が付与されます。
資産を活用した香港移住|New CIES
起業とは別に、一定規模の資産を持つ人が検討できる制度として、New Capital Investment Entrant Scheme(New CIES/新資本投資者入境計画)があります。
これは2024年3月に開始された資本投資型の在留制度で、起業家向けのInvestment as Entrepreneursとは別制度です。
2026年9月時点の主な条件
主な要件は、
- 原則として申請時に18歳以上
- 対象となる国籍・在留資格の要件を満たす
- Net Asset Assessment申請前の6か月間を通じて3,000万香港ドル以上の純資産または純資本を保有していること
- 合計3,000万香港ドル以上を適格資産へ投資すること
- 自分と扶養家族の生活を維持できる資力があること
などです。
投資額3,000万香港ドルのうち、2026年9月時点では、
- 2,700万香港ドル以上:対象となる金融資産・不動産等
- 300万香港ドル:CIES Investment Portfolio
へ配分する仕組みとなっています。
New CIESでは、まずInvestHKによる資産要件の確認を受け、その後、香港入境事務處へビザを申請するという流れになります。
正式承認後の初回滞在期間は通常最大24か月です。New CIESの本人は、香港での就職、自営業、会社設立・事業参加も認められています。
なお、3,000万香港ドルは「香港移住の費用」ではなく、制度を維持するための投資資産です。投資対象には価格変動などのリスクがあるため、生活費やビザ申請料とは分けて考える必要があります。
トップタレント・パス・スキーム(TTPS)
「香港で働きたいが、まだ勤務先が決まっていない」という人でも、一定の条件を満たせば検討できるのがTop Talent Pass Scheme(TTPS/高端人才通行證計劃)です。
2026年9月時点では、申請時に香港での雇用先が決まっている必要はありません。
TTPSにはA・B・Cの3カテゴリーがあります。
Category A
申請直前の1年間の年収が、250万香港ドル以上である人が対象です。
ここでいう年収には一定の雇用所得や事業所得などが含まれますが、個人の投資による収益は原則として算入されません。
Category B
対象大学の学位を取得しており、申請直前5年間のうち3年以上の職務経験がある人が対象です。
Category C
申請直前5年間に対象大学を卒業し、職務経験が3年未満の人が対象です。
Category Cには年間枠が設定され、先着順で割り当てられます。また、香港の非地元学生については対象外となる場合があります。
初回の滞在期間は、Category Aが36か月、Category B・Cが24か月です。
TTPSは香港での仕事がまだ決まっていない高度人材にとって有力な選択肢ですが、対象大学や所得の定義など細かな条件があります。申請前には必ず香港入境事務處の最新要件を確認しましょう。
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香港移住の必要書類|早めに準備したいもの
実際の必要書類はビザの種類や家族構成によって異なりますが、香港移住を検討し始めた段階で、次の資料を整理しておくと手続きが進めやすくなります。
本人確認に関する書類
- 有効期限に余裕のあるパスポート
- 顔写真
- 現在の在留資格や入出境記録に関する書類
- 香港IDカード(すでに保有している場合)
就労に関する書類
- 雇用契約書
- 採用通知書
- 職務内容が分かる書類
- 最終学歴を証明する書類
- 職務経歴・資格を証明する資料
家族帯同に関する書類
- 婚姻関係を証明する書類
- 子どもの出生証明書
- スポンサーとの関係を証明する資料
- 扶養能力を証明する資料
起業の場合
- 3年間の事業計画
- 投資計画
- 銀行残高などの資力証明
- 会社登記関係書類
- Business Registration Certificate
- オフィスの賃貸契約など
- 財務資料
- 雇用計画・雇用実績
香港入境事務處では、必要に応じて追加資料を求められることがあります。
また、提出資料が中国語または英語以外の場合、所定の要件を満たす中国語または英語の翻訳を求められる場合があるため、日本で発行される証明書は早めに確認しておきましょう。
香港移住の手続き|準備から定住までの流れ
香港移住は、「ビザが取れたら終了」ではありません。
実際には以下のような流れで準備していきます。
STEP1 移住目的とビザを決める
まず、
- 香港企業で働く
- 配偶者の帯同で移住する
- 香港で起業する
- TTPSを利用する
- New CIESを利用する
など、自分の移住目的を整理します。
ここを間違えると、必要書類や移住後にできる仕事が大きく変わります。
STEP2 必要書類を準備する
パスポートや学歴・職歴証明、雇用契約、婚姻証明、出生証明、資産証明などを準備します。
海外移住では日本でしか取得しにくい書類もあるため、出国直前ではなく余裕を持って用意しましょう。
STEP3 香港入境事務處へ申請する
GEP、起業家、TTPSなど、多くの制度ではオンラインで申請・必要書類のアップロードが可能です。
審査中に追加書類を求められることもあります。
STEP4 承認後にe-Visaを取得して香港へ入境する
申請が承認された場合、所定のビザ発給料を支払い、e-Visaを取得します。
ビザが承認されたからといって、許可された条件以外の就労・活動が自由にできるとは限りません。自分の在留条件を必ず確認しましょう。
STEP5 香港IDカード(HKID)を申請する
香港で180日を超える滞在を許可された11歳以上の香港居住者は、原則として香港IDカードの登録対象となります。
特に、18歳以上の新規入境者で180日を超える滞在許可を受けた場合、入境後30日以内に登録する必要があります。2026年9月時点では、IDカードの通常の初回登録に手数料はかかりません。
HKIDは、銀行、医療、各種契約など香港生活のさまざまな場面で利用する重要な身分証明書です。
STEP6 住居・銀行・通信・学校を整える
ビザとHKIDの手続きと並行して、
- 住居
- 銀行口座
- 携帯電話
- インターネット
- 子どもの学校
- 医療機関
- 保険
などの生活基盤を整えていきます。
STEP7 在留届を提出する
香港に3か月以上滞在する日本人は、旅券法により在留届を提出する必要があります。
在香港日本国総領事館では、オンライン在留届(ORRネット)の利用を案内しており、日本から香港へ渡航する場合は現地到着90日前からオンライン提出することもできます。
香港移住にかかる費用
香港移住に必要な金額は、単身か家族か、住居エリア、学校、勤務先からの補助の有無などによって大きく変わります。
そのため、「香港移住には○○万円必要」と一律に考えるのではなく、項目ごとに予算を作ることが重要です。
主に考えておきたいのは、
- ビザ申請・発給費
- 航空券
- 引っ越し・荷物輸送費
- 賃貸住宅の初期費用
- 家具・家電
- 銀行・通信など生活環境の整備
- 医療保険
- 子どもの教育費
- 当面の生活予備資金
などです。
ビザ申請料
2026年9月時点では、GEP、TTPS、New CIESなど香港政府が「Specified Scheme」として指定している制度について、主申請者・扶養家族ともに1申請あたり600香港ドルの申請料が必要です。
承認された場合、在留期間が180日を超えるビザの発給料は1,300香港ドル、180日以下の場合は600香港ドルです。
これは香港政府へ支払うビザ関連費用であり、翻訳、専門家への依頼、引っ越し、住居などの費用は別途必要になります。
香港移住後の住居探し
香港で生活するうえで、家賃は家計に大きな影響を与える項目です。
物件を選ぶ際は家賃だけでなく、
- 通勤時間
- 子どもの通学
- MTRやバスへのアクセス
- スーパーや病院
- 家具付きかどうか
- 契約期間
- 中途解約条件
- 管理費などが家賃に含まれるか
まで確認しましょう。
駐在員の場合は会社指定の不動産会社や住宅手当を利用できることがあります。一方、現地採用や起業による移住では、自分で初期費用を準備する必要があります。
「香港移住の費用」を考える際は、月々の家賃だけでなく契約時の支払いまで含めて資金を確保しておくことが大切です。
香港移住後の銀行口座開設
給与の受け取り、家賃や公共料金の支払い、クレジットカードなど、香港で長く生活する場合は香港の銀行口座があると便利です。
旧記事では特定銀行の最低預金額や必要書類を一律に紹介していましたが、口座開設条件は銀行や口座タイプ、顧客の状況によって異なります。
香港金融管理局(HKMA)も、香港の銀行には統一された口座開設書類のチェックリストはなく、各銀行が自社の方針やリスク評価に応じて必要書類を決めていると説明しています。
一般的には、
- HKIDまたはパスポートなどの本人確認資料
- 居住住所に関する情報
- 必要に応じて追加の本人確認・取引目的に関する資料
などを求められます。
「この書類さえあれば必ず開設できる」と考えず、利用予定の銀行で最新条件を確認しましょう。
具体的な口座開設の流れについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
香港移住後の携帯電話・インターネット
香港には複数の携帯通信会社があり、プリペイドSIMや月額契約などさまざまなプランがあります。
長期移住の場合は、月額料金だけでなく、
- 契約期間
- データ容量
- 中国本土や海外でのローミング
- 解約条件
- 自宅インターネットとのセット契約
などを確認して選ぶとよいでしょう。
自宅インターネットについても、建物によって利用できる通信会社や回線が異なる場合があります。物件契約時に確認しておくと安心です。
給与の受け取り、家賃や公共料金の支払い、クレジットカードなど、香港で長く生活する場合は香港の銀行口座があると便利です。
旧記事では特定銀行の最低預金額や必要書類を一律に紹介していましたが、口座開設条件は銀行や口座タイプ、顧客の状況によって異なります。
香港金融管理局(HKMA)も、香港の銀行には統一された口座開設書類のチェックリストはなく、各銀行が自社の方針やリスク評価に応じて必要書類を決めていると説明しています。
一般的には、
- HKIDまたはパスポートなどの本人確認資料
- 居住住所に関する情報
- 必要に応じて追加の本人確認・取引目的に関する資料
などを求められます。
「この書類さえあれば必ず開設できる」と考えず、利用予定の銀行で最新条件を確認しましょう。
香港の医療制度と医療保険
香港には日本と同じ仕組みの公的健康保険制度はありませんが、「香港では医療費がすべて全額自己負担になる」という説明も正確ではありません。
香港IDカードを持つなどHospital Authorityの「Eligible Persons」に該当する人は、公立病院・公的医療サービスを所定の料金で利用できます。
香港では2026年1月1日から公的医療の料金体系が改定されています。
一方で、
- 私立病院・私立クリニックを利用したい
- 待ち時間や受診先の選択肢を広げたい
- 入院・手術など大きな医療費に備えたい
といった場合には、勤務先の医療保険や個人で加入する民間医療保険を検討することになります。
会社の保険がある場合も、
- 入院限度額
- 外来診療
- 自己負担額
- 対象病院
- 家族が補償されるか
- 既往症の扱い
などは確認しておきましょう。
香港・海外生活での医療保険については、こちらもあわせてご覧ください。
また、香港の保険を検討する際にはメリットだけでなくリスクや注意点を知っておくことも重要です。
香港移住後の税金
海外移住後に特に注意したいのが税金です。
「香港は税率が低い」というイメージだけで移住後の税務を判断するのは避けましょう。
香港の給与にかかる税金
香港では香港を源泉とする雇用所得などについてSalaries Tax(給与所得税)の対象となる場合があります。
2026/27年度の累進税率は、
- 最初の50,000香港ドル:2%
- 次の50,000香港ドル:6%
- 次の50,000香港ドル:10%
- 次の50,000香港ドル:14%
- それを超える部分:17%
です。
一方、高所得者については、控除後の所得に対して最初の500万香港ドルを15%、それを超える部分を16%とする二段階の標準税率による計算もあり、原則として所定の計算方法に基づいて税額が決まります。
香港の給与所得税・不動産所得税の課税年度は、原則として4月1日から翌年3月31日までです。
「香港移住=日本で税金がかからなくなる」ではない
日本の税務上の居住者・非居住者の判定は、単純に「香港のビザを取得したか」「香港に住所を借りたか」だけでは決まりません。
生活の本拠、家族、職業、滞在状況などの個別の事実関係によって判断されます。
さらに、日本国内の不動産所得など、非居住者になった後も日本で課税される所得があります。
資産を多く保有している人や、日本と香港の双方から所得を得る人は、移住前に税理士などの専門家へ確認しておくことをおすすめします。
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子どもと香港へ教育移住する場合
家族で香港へ移住する場合、ビザと同じくらい早く考えたいのが学校です。
香港には、
- 日本人学校
- 香港のローカル校
- インターナショナルスクール
などがあります。
学校によって、
- 教育言語
- カリキュラム
- 入学試験
- 学年度の開始時期
- 学費
- 入学金・デポジット
- 通学エリア
などが異なります。
希望校を先に決め、通学のしやすさを考慮して住居エリアを決める方法もあります。
また、GEP、TTPS、New CIESなどのスポンサーに帯同するDependantの子どもは、原則として追加の就学許可を受けず香港で学ぶことができます。
教育移住を考えている家庭は、ビザ・学校・住居を別々に考えるのではなく、同時並行で準備することが重要です。
香港の永住権は7年住めば取得できる?
香港への長期移住を検討している人にとって、気になるのが香港の永住権(Permanent Resident/Right of Abode)でしょう。
日本人など中国籍ではない人の場合、有効な渡航書類で香港へ入境し、申請直前まで継続して7年以上「通常居住(ordinarily resided)」し、香港を恒久的な居住地としていることなどが基本条件となります。
重要なのは、「ビザを7年間持っていれば自動的に永住権がもらえる」という制度ではないことです。
申請時には、7年間継続して通常居住していたことを示す資料として、
- 雇用証明
- 学校関係書類
- 銀行取引明細
- 税金の領収書
- 公的な領収書
- パスポートや出入境に関する資料
などを提出することがあります。
非中国籍の場合は、香港を唯一の恒久的居住地としていることに関する所定の申告も必要です。
一時的に海外へ出張や旅行をしたからといって、ただちに「7年」が途切れるわけではありませんが、香港入境事務處は不在の理由、期間、頻度、香港での勤務や家族の状況などを総合的に確認します。
New CIESでも7年で自動的に永住権になるわけではない
New CIESについても、投資要件を7年間維持したことと、香港の永住権に必要な「継続した通常居住」は別の判断です。
香港入境事務處も、New CIESの条件を7年間満たした人であっても、必ずしも永住権の通常居住要件を満たすとは限らないと明記しています。
一定の場合には、New CIESの制度上、7年経過後に「Unconditional Stay」を申請できる仕組みもあります。
永住権を目指して香港へ移住する場合は、7年間のビザ更新だけでなく、自分の実際の生活拠点が香港にあることを説明できるよう、雇用・住居・税務・出入境などの記録を保管しておくことが大切です。
香港移住で後悔しないためのチェックポイント
香港移住は、ビザだけを見て判断すると、移住後に想定外の負担が生じることがあります。
特に、次のポイントは事前に確認しておきましょう。
1.自分のビザで何ができるか
就労、転職、起業など、認められる活動の範囲は在留資格によって異なります。
移住前に、自分のビザでどのような活動が認められているのかを確認しておきましょう。
2.家族全体の生活費を試算しているか
家賃だけでなく、教育費、医療保険、交通費、帰省費用なども含めて考えましょう。
会社の住宅・医療・教育補助がなくなった場合の費用も確認しておくと安心です。
香港移住は、ビザだけを見て判断すると、移住後に想定外の負担が生じることがあります。
特に、次のポイントは事前に確認しておきましょう。
3.銀行口座をすぐ開設できる前提にしていないか
銀行ごとに審査や必要書類が異なります。
日本の銀行口座・クレジットカードなどもすぐに解約せず、香港の金融環境が整うまで複数の決済手段を用意しておくとよいでしょう。
4.日本と香港の税金を別々に考えすぎていないか
香港だけの税制を確認して終わりではなく、日本側で非居住者になるか、日本に残る所得・資産がどう扱われるかも確認する必要があります。
5.「いつまで香港に住むか」を考えているか
数年間の駐在なのか、永住権を目指すのか、将来は日本へ帰国するのかによって、保険、教育、資産運用、住宅などの選択は変わります。
海外移住では、移住時だけでなく「帰国時の出口」まで考えておくことが重要です。
香港移住に関するよくある質問
香港で仕事が決まっていなくても移住できますか?
一般的なGEPの就労ビザでは香港での雇用先が必要です。
ただし、TTPSの条件を満たす場合は、申請時に香港での仕事が決まっていなくても申請できます。また、家族のDependantやNew CIESなど、別の在留資格で移住できるケースもあります。
自分の経歴・資産・家族構成によって適切な制度は異なります。
日本人は香港へビザなしで移住できますか?
短期訪問と長期居住・就労は別です。
観光などの訪問者として入境できることと、香港で生活・就労できることは同じではありません。長期的に居住したり仕事をしたりする場合は、目的に合った在留資格を確認する必要があります。
香港人と結婚すれば永住権をすぐ取得できますか?
結婚しただけで自動的に香港の永住権が付与されるわけではありません。
まずDependantなど適切な在留資格で生活し、その後、永住権に必要な条件を満たした段階で申請することになります。
香港の永住権は7年間住めば自動的に取得できますか?
自動取得ではありません。
非中国籍の人の場合、原則として申請直前まで7年以上継続して香港に通常居住し、香港を恒久的な居住地としていることなどを示したうえで申請・審査を受けます。
香港移住にはいくら必要ですか?
家族構成や住居、学校、勤務先の補助などによって大きく異なります。
ビザ費用そのものより、住居の初期費用、引っ越し、教育、医療保険、当面の生活資金などの影響が大きいため、自分の条件に合わせて試算しましょう。
なお、New CIESの3,000万香港ドルは生活費ではなく制度上必要となる投資額です。
香港へ移住するなら、ビザだけでなく「移住後のお金」まで準備を
香港への移住では、
- 自分に合ったビザの選択
- 必要書類の準備
- 香港IDカード
- 住居
- 銀行口座
- 携帯・インターネット
- 医療・保険
- 子どもの教育
- 香港と日本の税金
- 将来の永住権や帰国
まで、一連の流れとして考える必要があります。
特に2026年9月時点では、従来の就労・家族帯同・起業だけでなく、TTPSやNew CIESなど香港移住の選択肢も増えています。一方で、制度の条件は細かく、変更されることもあります。
「香港に移住すること」自体をゴールにするのではなく、香港でどのような生活を送り、どのように働き、家族や資産をどう守っていくのかまで考えることが大切です。
Insurance110では、香港で生活する方の医療保険、海外保険、資産形成・資産運用などについてご相談を承っております。
移住をきっかけに日本と香港の資産・保険を整理したい方や、海外生活に合わせた保障について確認したい方は、お気軽にご相談ください。
参考情報
*香港入境事務處(Immigration Department)|ビザ・在留制度
https://www.immd.gov.hk/
*香港入境事務處|香港永住権(Right of Abode)
https://www.immd.gov.hk/eng/services/roa/eligible.html
*New Capital Investment Entrant Scheme(New CIES)公式サイト
https://www.newcies.gov.hk/
*香港税務局(Inland Revenue Department)|香港の税制
https://www.ird.gov.hk/
*香港金融管理局(Hong Kong Monetary Authority)|銀行口座・金融制度
https://www.hkma.gov.hk/
*香港Hospital Authority|公的医療制度・医療費
https://www.ha.org.hk/
*JETRO|香港のビジネス・投資制度
https://www.jetro.go.jp/world/asia/hk/
※ビザ制度、税制、手数料、投資要件などは変更される場合があります。最新情報は各公的機関・公式サイトをご確認ください。
海外資産運用のご相談は、『Insurance110(ワンテン)香港』へ
Insurance110は2013年創業、親会社NNI香港は1998年から香港で金融サポートを開始しました。
世界6カ国13拠点(香港・米国・タイ・台湾・シンガポール・日本)で、累計27,000名以上の海外在住日本人をサポートしてきました。
香港保険業監理局(ライセンス番号:FB1667)に登録された正規保険ブローカーとして、500種類以上の保険・資産運用商品の中から、日本でのFP経験も豊富な日本人ライフパートナーが、海外資産運用のきっかけ作りをサポートします。
- 海外での資産運用が初めてで少し不安
- 今の資産運用状況についてのアドバイスが欲しい
- iDeCo/NISAや老後の年金について知りたい
といった疑問をお持ちの方や、資産運用のデメリットもしっかり把握したいという方は、ぜひお気軽に「Insurance110香港」までご相談ください。資産運用の成功に向け、出口戦略に至るまで長期にわたる永続的なサポートをお約束します。
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SUNLIFE HONGKONG(サンライフ香港)
├BRIGHT UL Wealth-Builder(ブライト UL ウェルスビルダー)
├Commitment(コミットメント)
├Generations II(ジェネレーションズ II)
├LIFE Brilliance(ライフ ブリリアンス)
├Stellar Multi-Currency Plan(ステラ マルチカレンシー プラン)
├SunGuardian(Care Version)(サンガーディアン(ケアバージョン))
├SunJoy / SunGift(サンジョイ / サンギフト)
├SunJoy Global(サンジョイ グローバル)
├SunProtect(サンプロテクト)
├SunWell(サンウェル)
├Venus II(ヴィーナス II)
├Victory(ビクトリー)
├Vision(ビジョン)
├Vital(バイタル)
CTF Life(旧FTライフ香港)
├“HealthCare 168 Plus” Critical Illness Protector(ヘルスケア168プラス クリティカルイルネスプロテクター)
├“On Your Mind” Insurance Plan(オンユアマインド保険プラン)
├Fortune Saver Insurance Plan II(フォーチュンセーバー保険プランII)
├Fortune Saver Insurance Plan Ⅲ(フォーチュンセーバー保険プランIII)
├MyWealth Savings Insurance Plan (Premier)(マイウェルス貯蓄型保険 プレミア)
├Regent Prime Insurance Plan II (Premier) / Regent Elite Insurance Plan II (Premier) / Regent Insurance Plan 2 (Premier Version)(リージェントプレミアシリーズ)
QDAP(税優遇年金制度)
├提供会社:AIA、FTLife、Sun Life ほか





